ブラッドブラザースの思い出と、これから。


ブラッドブラザースの終焉から3か月半、神山くんがもうすぐ22歳の誕生日を迎えようとしているこの日に、あまりにも今更ではありますがブラッドブラザースに関する気持ちを綴りたいと思い筆を執りました。


丁度舞台をやっていたころ私生活がバタバタしていて、幸いにも観劇はできたもののあの舞台を観た感想をまとめられずにいました。それは、忙しさもそうだけれど、あの舞台を見て、ただ単に自分ひとりが感じたことだけでべらべらと感想を書くことがあまりにも難しく感じたのです。私の文章力のなさが5割にしても、ただ悲しいだけの物語だったのか、あのシーンのあのセリフがどうどこに繋がるのか、私の幼稚な頭だけでは抱えきれませんでした。最近になりパリピポツアーも無事終わりを迎え、本格的に夏の現場が無いと分かったところで、通称ブラロスをリバウンドさせているひとをTLにちらほら見かけます。私もその一人です。今になって様々な方々のブログを読み返してはあの時の気持ちを思い出しています。もう3か月がたち、あの時の新鮮な気持ちでは書けませんが、自分用の記録として、自己満足にも舞台「ブラッドブラザース」への思いを残したいと思います。

 

ブラッドブラザースの舞台が決まった時、悩みました。2.3月は忙しくなることがもうその時からなんとなくわかっていて、果たしてのんきに舞台なんか見に行っていいものかと不安に思いましたが、友人に「それは行くべきでしょ」と背中を押され見に行くことに決めました。幼いころから、大小様々いくつか舞台を見てきましたが、ジャニーズ事務所の舞台以外でジャニーズの人が出る舞台を見るのは私としてはこれが初めてでした。私がそれまで見てきた事務所の舞台は、もちろんそれはそれでとても素敵な舞台なのだけれど、歌にダンスに、「アイドル神山智洋が演る舞台」でした。アイドル神山智洋を観に行っていました。きちんとした台本があって、きちんとした舞台なのだけれど、私はいつだって「神山くんかっこいい」と感じているのです。だから正直、少しだけ不安だったのです。いつだって神山くんはすごいものを見せてくれるけれど、外部の主演舞台。いつも聴いてるあの歌も、いつも見ているあの笑いも、披露されない舞台。アイドルじゃない神山くんがどんなものを魅せてくれるのか、ちゃんと認めてもらえるのか。烏滸がましいですよね(笑)でもどうしても不安だったんです。複雑なストーリーをあれこれと分析できる頭を生憎持ち合わせていないので、主演の二人に、特に神山くんに関して、私が感じていたことなどを中心に綴っていこうかと思います。お誕生日記念。

 


2015年の2月20日と21日。そうです、狙いました。

神山くん事務所入所10周年最後の日と、11周年最初の日。

 

20日は運よく一番前の席で観劇させて頂きました。神山くんの外部舞台をこんなところで観劇させて頂けた御恩は一生忘れません。
生演奏が静かに響き、少しずつ会場の照明が落とされて、段々と客席の声が小さくなり、本当に、すーっと舞台の世界に、リバプールの街の一角に導かれるように舞台が始まりました。あの時の緊張が今でも蘇ります。
舞台の中心に登場し対峙し、倒れる二人。一瞬のシーン。「わ、わ、神ちゃん…!!」って思ってたら終わってしましました。あの時はまだ私の心の中はアイドルの神ちゃんを見たときと同じような反応を示してました。
わたわたしている間にも話は進みます。少しだけネタバレを読んであらすじは把握していたため、ストーリーは割とすっと入ってきました。マルシアさんや真琴つばささんの圧倒的な歌唱力。ああ、こんなすごい演者さんに囲まれて彼はどんな演技を……この時点でもまだ少し不安です。

 

照史くん……いや、ミッキーが登場しました。ぼろぼろの服に、薄汚れた顔。第一声の子供らしさに、「わあ、」と思わず声をもらしそうになりました。「か、かわいい…」って一言で言ってしまえばそんな感じなのだけれど、いたずら好きの七歳児。いつもの頼れる親方照史くんはどこにもいなかった。座り込んでエアガンを構える姿が本当によくいる悪がきだった。
エディが登場します。きちっとした前髪、きれいなシャツにニットに半ズボンにハイソックス。頭がよさそうで、いかにも育ちの良い家庭の息子。第一声「やあ!」少し高めで、柔らかくて、愛らしい声。神山智洋を10として、私は5がアイドル神山智洋だと思って観に行きました。初めての外部主演舞台だもの。いくら神山くんが演技が上手だと言われてたって、それでも十分だと思ってました。でも、10なら10役者神山智洋だった。というか、エドワード・ライオンズだった。7歳のかわいい男の子がそこにいた。
お菓子分けてほしいとか、サミー兄ちゃんがパチンコ持ってるのが羨ましいって、よくある会話。7歳の二人のやりとりは本当にかわいくて癒されて、でもところどころにどうにもできない運命が見える。

「僕のママもこのへんじゃ遊んじゃダメって言うよ?」

「キミってとってもおもしろいこと知ってるんだね!」

「血を分けた兄弟になりたい…?」「うん!」
「僕は、いつも兄弟を守る」
「そして、味方になる」

 

ミッキーはエディが羨ましくて、エディはミッキーが羨ましい。双子が違う家庭で育てられるって、今普通に生活している私にとっては少し遠いように感じる環境だけれど、それはわかる。あの子が羨ましい。あの子は、私にないものを持っている。どうにもならないからこそ一緒にいたいけど、どうしても悔しくて、歯がゆくなることだってある。自分の手を離れてしまう息子に気がおかしくなってしまったり、双子が同じ人を好きになってしまったり、ブラッドブラザースの世界は遠いようでなんだか近かった。だから余計重たく響いた舞台だったな。

 

1幕が終わって緞帳が降り切った瞬間、ぶわっと自然に涙が溢れました。一幕の間ずっとマイケル・ジョンストンとエドワード・ライオンズを見ていて、二人の可愛さに癒され、逃れられない運命に頭を抱えたけれど、幕が下りた途端、その世界から一瞬でも解放されて、照史くんと神山くんがこんなに、こんなにすごい舞台で、こんなにすごい演技をしていることが信じられない気持ちでした。すごい、しか言えないけれど、すごかった。あんな舞台を作れるまでに、時間もなかっただろうに、どれだけ悩みどれだけ考えたか、頭が上がりません。そう考えると涙が止まりませんでした。一幕からこの調子(笑)

 

二幕が始まると、14歳。少し成長した二人。偶然再会を果たす二人。すこし大人びた舞台を見たり、一緒にいられなかった時間を取り戻すみたいに遊ぶ二人と、少しだけリンダへの恋心も芽生え始めて。大人になりはじめたからこそ、見える現実もあって。

 

18歳になったときの真琴さんのナレーションを思い出すたびに胸が苦しくまります。

「永遠に18歳でいられたら」

リンダと三人で過ごす時間。身分もなにも取っ払って、子供の頃に戻れる時間が、永遠に続くなら。

 

子どもの頃の遊びは、何をしても冗談で許された。エアガン打ってもだれも死なないし、死んだふりをしたって10秒数えれば生き返れた。でも大人になったらそうじゃない、っていう運命が畳み掛けるように襲ってくる。

 

大学生活を謳歌し良い地位に就くエディと対照的に、ミッキーは失業。薬に溺れる。罪を犯す。
最後のあのシーン、いろんな人のいろんな意見がありますが、私としてはやっぱり、「羨ましい」の連続だったのかなって思ってます。
ミッキーにとってみればエディは自分がないものたくさんもってた。地位も名誉も財産も。薬に溺れたミッキーにはもうリンダしかいなかったのに、それもエディにとられてしまったと思ってる。
いつまでも親友で、いつまでも兄弟でいたいのに、叶わなくて、うまくいかなくて、自分ばかりこんなに不幸で、それでもずっと一緒に二人で遊んでいたいのに、できない。悔しくて苦しくて歯痒くてどうにもならない。
それゆえの結末だったのかなって思います。
とても悲しい物語なのだけれど、天国で二人はいつまでも一緒です。そう思ったら少しだけ幸せな物語に思えました。二人ずっと永遠に一緒にいてほしい。

 

物語にはあまりくびつっこまないとか言っておきながら思い出すと止まらなくて色々と言ってしまいました…拙い文章を申し訳ありません……
何度も何度も書きましたが、俳優神山智洋を見られて本当に幸せな時間でした。顔がよく見られる席で観させてもらって、舞台のせりに出てくるたび、きっとアイドル神山くんだったら「ぎゃっ神ちゃん…!」ってなるところをならなくって。エディがそこにいたからだなって思います。エディを見てたから。神山くんがエディだったから。

 

 

パリピポツアーも終えて、演じる神山くんも、歌い踊る神山くんも見ることができた2015年の上半期。
もうすっっっっっっっごく幸せだ。この上ない。あとはブラブラが映像化されるだけだとか言わない。
ブラッドブラザースで観ることができた神山くんの演技、歌声。今までわたしが見てきたそれではなくて。
いつまでもずっと胸に刻んでおきたい思い出です。

 

これからもいろんな分野でお仕事する神山くんが見たい。
改めてそう感じた夜でした。きっとそのたびに彼は私の期待を軽々超えてくるんだろうな。
デビューできた嬉しさをまずかみしめて、リリース、コンサート、主演舞台。贅沢だなあ。
舞台に立つ神山くんが好きだ、二年前全国ツアー徳島公演でお誕生日を祝ってもらって「なにするにも職人になりたい」っていうレポートを見てから願ってた夢が着々と叶っていて。
他のメンバーに比べて、その足取りは早くないかもしれないけれど、きっともっとすごい世界を魅せてくれるって思います。楽しみだな。


もうすぐ神山くんが22歳を迎えるこの日に、ブラッドブラザースの感想と、これからの期待を認めて筆をおきます。